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 建築中の「久留米の家」の設計を伊礼先生にお願いした理由の一つに「プレタポルテ」という考え方があります。元々はファッション用語であり、「オートクチュール」の対義語として「プレタポルテ」が存在しています。以下にWikipediaからの引用を記します。

【プレタポルテ】

オートクチュール(高級注文服、高級オーダーメイド服)は、限られた個人客からの注文を受け、個人の体型に合わせ、手作業で製作した服を顧客に渡すという流れであるが、プレタポルテ(高級既製服)は、基本的には卸売業者からトルソーを使い、立体裁断による型紙作り(産業パターン)を経て、大量受注して生産する流れとなる。

かつて既製服は、既製品という意味を持つ「コンフェクション」や「レディ・メイド」と呼ばれていたが、これらの言葉は「大量生産された粗悪な安物」というニュアンスを持っていたため、それらと区別するために「プレタポルテ」立体裁断、産業パターンという言葉が生まれた[要出典。その後、全体的な既製服の品質が向上し、prêt-à-porterは既製服一般を示す言葉となった[要出典]。一方、日本語では当初の区別のまま「プレタポルテ」は高級既製服という意味で使われている 〜Wikipediaより引用〜

 伊礼先生はご自身が注力されているi-works project(ホームラボも参加しているプロジェクトです)の中で「特定の誰かのための「特殊解」ではなく、「一般解」として心地よく住まうことのできる家」を提唱されていて、その説明として「すべての家がオートクチュール(高級注文住宅)である必要はなく、プレタポルテ(高級既製住宅)も十分に資産価値が高い家ではないか」と話されています。私もこの考えにとても共感しています。高級注文住宅の「特殊解」を「一般解」に置き換え、「オートクチュール」でしか成し得なかった高品質・高い資産価値を「プレタポルテ」で実現する。しかも完全な既製品ではなく、標準化された各部位・デザイン(問題解決手法)を惜しみなく投入した注文住宅として作り上げていく。そんなことが出来たら久留米に建つ家や、そんな家が立ち並ぶ久留米の街並みや、町の魅力は何物にも変え難い町の財産として後世に残していける、と私は思います。いや、そんな町にして、子どもたちに残したいと思います。その一歩目、マイルストーンが「久留米の家」だったらいいなと思っています。

 これまでホームラボが取り組んできたことの一つの到達点であると共に、新たなスタート。

 私が一番その完成を待ちわびているのかもですね。

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